『東大教授が教える独学勉強法』 柳川範之

大学は職業訓練校化すべきだとかとかいう議論が出たのが2~3年前だったか。
教養なんて飯のタネにもならない。そんなことに時間を費やすぐらいなら、卒業後即戦力になるよう仕事に直結するようなスキルを身に着けさせた方がいい…といったところか。

「大学は本当の意味で勉強の仕方を身に着けるところ」
大学に入る前に言われた言葉だ。
本書で言うところの「答えのない問いに自分なりの答えを見つける勉強」を身に着けるべき場所という意味だったのだと思う。

社会に出てからは「正解」のある問題なんてほとんどない。だからこそ正解のない問題に対していろんな知識や理論や情報を関連付け、自分なりの答えを見つけていく力こそ社会に出てから役に立つ。その力のベースになるのが教養であり、その力を身に着けるのが大学で学ぶことの意義なのかもしれないと最近思い始めている。(自分が身につけられたかは疑問だが)

世の中なにかと資格試験が多い。社会人になってからの勉強と言えば資格試験対策という人も少なくない。私自身もそうだ。
資格試験のように「答えのある勉強」も大切だが、「答えのない勉強」も大切にしたい。